「え、遠慮しないで…ぶちこんでくださいっ」<br />
イストアレ。酪農と農業、そして果実を原材料とした酒造が主産業の長閑な小国。<br />
慎ましくも幸せな日々を送る平和な王国を蛮族たるオーク族が率いる亜人国ドルバニスが襲う!<br />
オークたちの目的は二つ。イストアレの国土に眠る豊富な鉱物を手に入れることと、イストアレを治める絶世の美女・王妃イレーナを亜人王ドルムの嫁とすることだった。<br />
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自らのため、まともな戦力を残していないにも関わらず徹底抗戦を唱える臣下や、突然の災厄に安寧を破られて恐れ戦く民草の姿を見たイレーナは、悲壮な決意を固める。<br />
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「─私がドルム様のもとへ嫁ぐことでこの国に平和が戻るのならば、喜んでそう致しましょう」<br />
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かくして野蛮な亜人の王のもとに、美しく貞淑な王妃はその身を差し出すのだった。<br />
どんな過酷な運命が待っているかも知らずに―。